寝起きから母に呼ばれるまで

3/5
前へ
/509ページ
次へ
季節は夏 日の出の早いこの季節は6時とはいえ、しっかりと太陽は登っている リビングには登り始めた太陽からの陽射しがやんわりと差し込んでいる ―時代は21世紀 ヴァンパイアも進化するんだね、ご先祖様…… 「愚息よ 自分の父がこれから職場という名の戦場へ向かうというのに、貴様は一番最後に起き、パジャマ姿で見送ると言うのだな? ――――飯、抜き」 母はそれだけ言うと僕に背を向け、3人でお祈りを始めた しまった…… 着替えるの忘れてた… 父はサービス業に勤めているため、日曜日は出勤で平日に休みをとっている そして一応社長という肩書きを持つため、責任感の強い父は1番に会社に行くのだ そんな父にベタ惚れの母は、父を蔑ろにする行為を決して許さない 母は朝から化粧をしっかり済ませ、父が好きだという深紅のワンピース姿で朝食の準備を父が起きる前に終わらせている 母の《主婦》という仕事に手抜きは存在しない
/509ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1050人が本棚に入れています
本棚に追加