寝起きから母に呼ばれるまで

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朝食を抜かされた僕は仕方なく洗面所へ向かい、顔を洗う事にした 「ぶはぁ~、スッキリしたー」 眠気も吹き飛び気分も爽快だ それでもやはり腹は減る 「後でコンビニ行くかな」 家で食べれないなら買って食べるしかない そうと決まれば寝癖くらい直さないと… クシを片手に水槽を覗き込む 我が家に鏡はない だって映らないのだからあってもしょうがないだろう? こんな所だけはしっかりと 【ヴァンパイア】という訳だ 寝癖を整え水槽に映る自分の顔を見て、ニッと口を横に開き 「よし、完璧な吸血鬼だ」 2本の牙を確認しながら満足そうに言った 「さてと、おにぎりにしようかパンにしようか……」 僕の頭の中はもう朝飯の事でいっぱいだ 何故なら16歳と言えば育ち盛りの第4コーナー……今を逃せばいつ身長が伸びると言うのだ! 「かかって来い成長期!!」 良く分からない気合いを入れていると 「権太ぁぁっ!!2秒で来い!」 母…さっきの父へ向けた 『行ってらっしゃい』 の声色は何処へ行ってしまったのですか?
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