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空腹に耐えながらも身支度を済ませ家を出た
黒の長袖のシャツに黒のジーンズ、そして黒い帽子
そして【ヴァンパイア】の必須アイテム
黒い―――《日傘》
塵になったり溶けたりしないけど……
ホラ、あの……肌が真っ赤になって痛くなるから……
「そりゃ《日焼け》でしょ」
誰だ!?心を覗くヤツは!
慌てて声の方向へ振り向く
「おはよう権太、相変わらず小さいのね」
そこには意地悪い笑みを浮かべた少女がいた
くっ、朝からコイツに会うとは…ああ、今日は厄日だ…
コイツの名は
高山 陽子(タカヤマヨウコ)
同じ中学、同じ高校でしかもクラスも同じ、更にご近所様というヤツだ
癖のない真っ直ぐな黒髪を肩の辺りで揃えている
目は大きめで、黒目勝ちな瞳は小動物みたいだ
そして許せないのが
―――身長159㎝
僕より10㎝以上高い…
故に僕を見ると必ず一言目には
「小さいね」
そんな挨拶あるかい!
人間風情が吸血鬼舐めるなよ!
いつか生き血吸ってやる!
と、言葉には出来ないので心の中心でこんな事を叫んでみました
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