璃々亜の泣きドコロ

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「そ、そんな事言わないよ それより爺ちゃんが他人だなんて聞いてないぞ」 別に話題を変えたい訳じゃない 当たり前のように一緒に暮らしていた爺ちゃんが、実は他人だということ黙っていた理由は何だ? ――まぁ、母の怒りは逸らしたいが 「ん? 誰もコイツが祖父だと言っていない 子供に年寄りを《爺ちゃん》と呼ばせるのは常識だろう」 いや、呼称の問題じゃなくて 「あの…それはそうかもしれないけど…」 僕が知りたいのは何故一緒に住んでるのかであって 「儂は孫だと思っている」 あ、滋夫は黙ってくれる? この際、爺ちゃんの立場はどうでもいいとして、母がこの場にいては聞き込みもここまでか… 「くだらん話しをしている暇があったらテーブルの上でも綺麗にしておけ」 爺ちゃんの首筋から包丁を退き、布巾をテーブルの上に置いてキッチンへ戻っていった 「……怖かった」 話題の切り替えのおかげか、母の鉄拳が僕へ飛んでくることはなかった 「全くじゃ… アイツの弱点なんぞシズィアとカマキリくらいじゃろうな」 ―――!? 爺ちゃんの言葉に僕の脳がその一つのみに囚われた 弱点? カマキリ? 答えが自ら歩いて来たよ…いや、これはきっと ――啓示だ にしても……… 「ベタだ」
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