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「そこでなんだが…
カマキリはどこで捕獲出来るのだ?」
問題はそこ
この近辺に棲息しているのかもまるで知らない
僕は昔から昆虫を愛でる趣味はないのだ
「カマキリねぇ―……
昔は公園でもよく見かけて、捕まえて《カマ》の部分をもいで『キリだ』って遊んだ…」
「お前の猟奇的な幼少時代はどうでもいい」
一寸の虫にも五分の魂
お前に蜘蛛の糸は垂れてこないと思え
「そういえば最近あまり見ないよな
俺はカマを広げて威嚇するポーズが好きだったよ」
大作も懐かしそうに過去を語るが、肝心の捕獲に関するキーワードが出てこない
絶滅危惧種じゃあるまいし、昔いたのに今いない訳がないと思うのだが…
「山に行けばいるだろ
虫なんてそんなもんだ」
今回のメンバーであるキリトの発言には何も根拠が無い
悔しいかな
発想が僕と同じだ
「山って言ったら《あの》山?」
《山》という言葉に陽子が表情を曇らせる
―ん?《あの山》ってどの山なんだ?
「もしかして《姥捨て山》の事を言ってるのか?」
陽子の言葉に大作が眉をひそめた
どうやら地元の人間しか知らない事があるようだ
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