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――姥捨て山
大昔
生活の苦しい家族が口減らしの為に、働けなくなった老人を山に捨てるという悲しくも非情な風習があったらしい
捨てられた老人達の怨念が染み付く呪いの山
それが《姥捨て山》
「まぁ、迷信というか都市伝説並みに怪しい言い伝えだ
でも皆が気味悪がって誰も近寄らないみたいだけどな」
大作はそう言って体育館から見える小振りの山を指差した
「結構近いぜ?
《姥捨て》の話しはともかく自然は手付かずだ
カマキリがいるかは分からんけどな」
大作の話しに僕は寒気を感じた
最近、幽霊を見たばかりの僕としては、言い伝え程度の確度であっても《怨念》などという身体に悪そうな成分には触れたくない
「ふーん、面白そうじゃないか
《悪霊》でもいたら俺が退治してやるよ」
対フリークスのスペシャリスト
符咒師キリトは不敵な笑みを浮かべ、挑戦的な発言をする
なんだかちょっと頼もしい
「やめなさいよね!
わざわざカマキリ1匹の為にあの山に行く必要無いでしょ?その辺の草叢を掻き分け満足しなさいよ」
陽子は幾分顔色を青くして、山へ行く事を阻もうとする
僕も無理にそんな場所へ行こうとは思っていない
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