璃々亜の泣きドコロ―2

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「つい勢いで『行く』とは言ってしまったが…」 僕は後悔していた キリトの子供っぽい挑発にまんまと乗せられた事を 体育の授業はバスケット 昼休みにあれだけ騒いだ後でもキリトは元気に動き回っている 体育館の半分は上級生が使用している為、体育館でバスケットする組とグラウンドでサッカーする組とに分かれている インドアな僕は当然バスケット組にいるが、身長の低いキリトも何故かバスケットの方を選んだ 「動きは良いがあの身長では…ホラ、止められた」 物凄いスピードで切り込んで行くキリトだが、シュートする度にブロックされている 僕がやっても同じ結果だろう スポーツで身長が低い事がプラスになるケースは少ない 特にこのバスケット 僕は好きにはなれそうにない 「しかし、一度で良いからダンクシュートというものをしてみたいものだ」 NBAで過去に170㎝の身長でダンクをした選手がいる 昔、テレビのCMで流れていたそのシーンを思い出す あれは夢と希望を与えてくれた 「あれだけ翔べたら気持ち良いだろうなー…」 大作のシュートをブロックにいったキリトの顔面に、大作の膝が見事に炸裂した光景を見ながら呟くと、不意に背中に暖かい弾力を感じた
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