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「お前ばっかりぃぃー!!」
怒りの形相も、今では死相に見えるキリトが数メートルの距離まで迫る
「あの子、死んだね」
「でるわよ、ヒグマを倒したって言うコンビネーションが」
なにやら聞くに耐えない情報がネットの方から聞こえてくる
そして演が動いた
数歩前へ進み、半身でキリトを睨みつける
後方の恋も同じく半身になり、腰を落として溜めを作る
「お前達!俺にしておけ!」
自分に向けられた殺気にも気付かず、キリトは無防備にもそのまま演との距離を詰めた
晴香の上をいった男が…
一般女性に対してはただの健全過ぎる男のようだ
「―――はっ!」
気合いの声を発し、演のスラリと伸びた足が鞭のようにしなりキリトを襲う
――早い!
高速のハイが空を裂く
「喰うかっ!」
当たる…いや、当たったと思った演の蹴りを、キリトは身を屈めかわした
しかもドリブルしたままで
やはりタダ者じゃない
改めて感心させられたキリトの身のこなしだが、この双子もタダ者ではなかった
「―――はぁっ!」
後ろで溜めを作っていた恋が、蹴りをかいくぐってきたキリトめがけて拳を放つ
―バキィ!
「ブベ」
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