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前屈みで体制不十分なキリトの顔面に、恋の弾丸のようなストレートがめり込んだ
――終わった
そう思った僕の目に、悲惨なエピローグが待っていた
「ハァァァッ!」
蹴りをかわされた演が、その遠心力を利用して軸足だった左足を真上に振り上げた
まさかのカカト落とし!
―ダァァーン!!
激しい音は人体への打撃音ではなく、床をキリトの頭ごと撃ち抜いた破壊音
キリトの頭が地下1階へ到達
「滅殺―――」
「―――完了」
無惨な生け花と化したキリトを足元に、演と恋が静かに終わりを告げた
ドン引きだ
ウチのクラスはドン引きだ
バスケットも忘れて呆然と双子を眺めている
大作1人が感心したように手を叩いているが、今は従兄弟の心配をしてもらいたい
「さ、ヴァン様
危険も排除したところでそろそろダンクを…」
「危険なのはお前達だ」
今のを光景を見たら、ゴールに叩き込まれるのはボールではなく僕のような気がするよ
「そんな…私達は…」
恋がオタオタと困ったように眉を八の字に歪める
そんな仕草は普通の女の子だが
「やり過ぎだというのだ」
今度、杏に言っておかねば
足をピクピクと痙攣させているキリトを見て思う
僕のせいじゃないからな?
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