璃々亜の泣きドコロ―2

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前屈みで体制不十分なキリトの顔面に、恋の弾丸のようなストレートがめり込んだ ――終わった そう思った僕の目に、悲惨なエピローグが待っていた 「ハァァァッ!」 蹴りをかわされた演が、その遠心力を利用して軸足だった左足を真上に振り上げた まさかのカカト落とし! ―ダァァーン!! 激しい音は人体への打撃音ではなく、床をキリトの頭ごと撃ち抜いた破壊音 キリトの頭が地下1階へ到達 「滅殺―――」 「―――完了」 無惨な生け花と化したキリトを足元に、演と恋が静かに終わりを告げた ドン引きだ ウチのクラスはドン引きだ バスケットも忘れて呆然と双子を眺めている 大作1人が感心したように手を叩いているが、今は従兄弟の心配をしてもらいたい 「さ、ヴァン様 危険も排除したところでそろそろダンクを…」 「危険なのはお前達だ」 今のを光景を見たら、ゴールに叩き込まれるのはボールではなく僕のような気がするよ 「そんな…私達は…」 恋がオタオタと困ったように眉を八の字に歪める そんな仕草は普通の女の子だが 「やり過ぎだというのだ」 今度、杏に言っておかねば 足をピクピクと痙攣させているキリトを見て思う 僕のせいじゃないからな?
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