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午後一の授業で致命的とも思われたキリトのダメージは、下校時にはその痕跡すら残さず、現在涼しい顔して靴を履き替えている
何だろう?この生命力は
「じゃあ、また後でな」
シュタっと片手を上げ、小走りに去って行くキリト
「本当に行くつもりなのか?」
僕の背後から大作が聞いてくる
成り行きとはいえ、僕とキリトは姥捨て山へ行く事になった
一度帰宅し、準備ができしだい再び学校に集合という段取りだ
「大作も来るか?」
正直、人数はいた方が好ましい
不測の事態が生じた場合、多人数の方が…いや、断じて恐いからではない
「誰が行くか、そんなトコ」
お前の家系はこういう時に役に立たないでどうする?
しかし内容はカマキリ捕りだ
無理強いするつもりはなかった
「そうか…
まぁ、キリトは中々に頼もしいからな
大作よりも役に立ちそうだ」
僕の嫌味を大作は鼻で笑った
「ふん、恐いなら素直にそう言えばいいだろ?」
ぐっ……
鋭いヤツめ……
「僕を誰だと思っている?
泣く子も黙る予定のヴァンパイアだぞ」
「予定かい」
今はまだ威厳と身長が間に合ってないのだ
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