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食事の準備が全て調い、母も食卓に着く
「じゃあ、皆揃ったところで食べるとしよう」
食事の時間は母が仕切る
僕が物心ついた頃より変わらぬ佐久間家の掟の一つだ
「はい、では目を瞑って…」
この言葉の意味に違和感を感じたのは何時だろう?
多分それは、自分が夜の生き物だと知った幼い頃からだと思う
―だから毎回思うんだ
母の言葉に皆が手を額の前で組み目を瞑る
―これがおかしいんだと
「天に召します我らが神…偉大なる主よ…」
―常識を考えろ
「今日1日の糧を与えてくださった事を感謝します」
―僕らは何者だ?
その胸に十字を切る家族に僕は問いたい
―光を嫌う闇の眷族だろ?
なのに…なのに……
―なのに!
――――《アーメン》――――
「だから何でクリスチャンなんだよ!」
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