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「ここがギルの部屋ですよ!」
サラの言葉を聞いて、ドアを開ける
二階の丁度真ん中に当たる部屋はエレベーターを使って降りた後、少し歩く場所にあった
ドアの中はごく普通の部屋で、窓のあるキッチンに黒い絨毯のリビング。ドアの側にはドアが二つ
恐らく寝室とバスルームだろう
一人暮らしには十分過ぎる設備だった
「気に入った?」
サラの問いかけに答えるワケでもなく、キッチンを見る
舐めまわすという表現が正しいくらいにそれを見ると、『ああ……家じゃないんだ……。』
と、実感が湧いてきて、苦しくなる
母がいない。それは、普通の子には嬉しいのかもしれないが、ギルには苦痛でしかなかった
サラは自分の部屋に帰り、一人になったギルは直ぐに寝室へと向かい、何もせずに眠りについた
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