81164人が本棚に入れています
本棚に追加
/482ページ
「じゃぁ、今日の授業の最後は“魔力球”ね。」
いつもの授業。
いつもの風景。
立ち上がる者など誰一人いなく、席に空きもない。
「“魔力球”の利点は何?……じゃぁ、サラ。」
ハイネの指名を受けて、サラは話し出した。
「“魔力球”は、魔物を生きたまま捕獲するために使います。
魔物の持っている魔力より多い魔力を当てることで、“魔力酔い”を起こさせて、動けなくします。」
「はい、利点はその通りです。
ですが、“魔力酔い”を起こさせるには多量の魔力が必要です。
だから、あんまり使う人はいません。
今日の授業はここまでですね。
じゃぁ、休み時間にして下さい。」
教科書を閉じ、ハイネが言った。
せっかくの休み時間。
難しい顔をしているただ一人がいた。
最初のコメントを投稿しよう!