恐怖

2/8
81164人が本棚に入れています
本棚に追加
/482ページ
「じゃぁ、今日の授業の最後は“魔力球”ね。」 いつもの授業。 いつもの風景。 立ち上がる者など誰一人いなく、席に空きもない。 「“魔力球”の利点は何?……じゃぁ、サラ。」 ハイネの指名を受けて、サラは話し出した。 「“魔力球”は、魔物を生きたまま捕獲するために使います。 魔物の持っている魔力より多い魔力を当てることで、“魔力酔い”を起こさせて、動けなくします。」 「はい、利点はその通りです。 ですが、“魔力酔い”を起こさせるには多量の魔力が必要です。 だから、あんまり使う人はいません。 今日の授業はここまでですね。 じゃぁ、休み時間にして下さい。」 教科書を閉じ、ハイネが言った。 せっかくの休み時間。 難しい顔をしているただ一人がいた。
/482ページ

最初のコメントを投稿しよう!