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操帝の急所を狙った一撃。
しかし、急所と言っても、体には数多く存在する。
相手が相手なだけに、場所は読めない。
それなのに、ギルは読み切った。
操帝の鳩尾を突き刺そうとした素早い一撃を出した刀で横へとスライドさせると、そのまま喉、顎を柄でぶっ叩いた。
カウンターをくらった操帝は急所への二連撃に流石にダウンし、気を失った。
あまりの呆気ない幕切れだが、真の強者同士だからこそ、ダラダラと長い勝負ではなかったのだろう。
「悪いな。」
気絶した操帝に声をかけ、館の入口へと歩を進めた。
遠くから見ると普通の木の両開きドアだが、近づいて見ると、重厚な造りで高級感溢れていた。
更に、それを開くと敷き詰められた絨毯が顔を出す。
変わっていない。
自分がいた頃と何も。
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