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「正確には違うけどな。」
その瞳は、確かに覚悟を決めた男の瞳だった。
操帝はそんな瞳をした男を止める術を持っていない、いや、持ちたくなかった。
一、男としてそんな無粋な男にはなりたくなかった。
操帝は観念したかのように頭を垂れ、目を瞑り、天パーをかきあげると、「分かったよ。」とだけ言った。
ギルは操帝の態度にニヤッと笑い、両手首を出した。
操帝が真紅のマントから取り出したのは石の輪だ。
“魔封石”の改造型と言うのだろうか、対犯罪者用で、その輪の中に体を通すと魔力が常に放出され、生きるのに必要な最低魔力以外はゼロになる。
封じるのではなく、蒸発のように外へ霧として出す。
どんなに凶悪な犯罪者でもコレを付けられたら、逃げることは不可能だ。
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