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カツ、カツ、カツと革靴の音が響く。 高級そうな石が敷き詰められている城を一人の男が歩いていた。 短髪にキリッとした顔立ち。 彼が自慢としている赤いローブは輝きを放っている。 「よぉ、フリードじゃないか。“ここ”が嫌いなのにどうした?」 話しかけてきたのはガルシアだった。 「ちょっとお父様に話があるんだ。」 「お父様が大嫌いなのにどうしたんだ?フリード、いや、“操帝”様よ。」 フリード、本名はフリードリヒ・シルバヌス。 名字からも分かる通り、この国の第二王子であり、“操帝”だ。 ギルドの登録では、一般貴族出身としているが、これが事実である。 しかし、操帝の時とは容貌すら違う。 ボサボサだった髪は綺麗に切りそろえられ、汚かったローブも輝きを取り戻している。
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