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「ほぉ、フリードリヒが大人になってから頼み事なんて、初めてのことじゃないか?言ってみろ!ワシに出来る限りならやってやるぞ。」
どうやら、フリードの父、現国王のゼウセスは典型的な親バカらしい。
きっと、甘えてこなかったフリードをずっと心配していたのであろう。
そういう口調だった。
フリードリヒがニヤリと笑う。
「じゃあ、ギルを解放してくれないか?」
「ならん。」
返答が素早い。
考える素振りすらみせない父に、フリードは苛立った。
「なんでだよ!」
語調は自然と荒くなり、身を乗り出した。
「国家反逆罪は死刑。これは変わることも、例外も無い。」
ゼウセスの目は温和な父の目から、冷徹な国王の目へと変化し、フリードを睨みつけた。
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