13/15
前へ
/482ページ
次へ
「国王……どうしてですか?どうしてあなたはそんなに罪を許さないんですか?ギルの場合は減刑の余地もあるはずなのに。」 ガルシアはフリードリヒとは対照的に、静かに尋ねた。 「全てはフリードリヒのためじゃ。」 ゼウセスは言う。 「フリードリヒの兄、ゲルマが未開拓地へ行く部隊の指揮をとることに決まった。」 「何故第一王子が!?」 ガルシアは心底驚いたようだ。 「ゲルマを心底慕っている隊員達の熱い要望と、本人の強い意志じゃ。ゲルマはもしそれを認めないなら王にはならないと言っておる。」 ゼウセスは頭をうなだれ、疲れた顔をみせた。 フリードリヒの前では決して見せなかった顔だ。 ガルシアへの信頼の証でもある。 「じゃあ、もしかしたら…………。」 「そう、フリードリヒが国王になる可能性が高い。」
/482ページ

最初のコメントを投稿しよう!

81186人が本棚に入れています
本棚に追加