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「国王……どうしてですか?どうしてあなたはそんなに罪を許さないんですか?ギルの場合は減刑の余地もあるはずなのに。」
ガルシアはフリードリヒとは対照的に、静かに尋ねた。
「全てはフリードリヒのためじゃ。」
ゼウセスは言う。
「フリードリヒの兄、ゲルマが未開拓地へ行く部隊の指揮をとることに決まった。」
「何故第一王子が!?」
ガルシアは心底驚いたようだ。
「ゲルマを心底慕っている隊員達の熱い要望と、本人の強い意志じゃ。ゲルマはもしそれを認めないなら王にはならないと言っておる。」
ゼウセスは頭をうなだれ、疲れた顔をみせた。
フリードリヒの前では決して見せなかった顔だ。
ガルシアへの信頼の証でもある。
「じゃあ、もしかしたら…………。」
「そう、フリードリヒが国王になる可能性が高い。」
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