81188人が本棚に入れています
本棚に追加
国王は話し続けた。
「フリードリヒが王となった時、彼を減刑や無罪にしたという“例外”があってみろ。暴動や反乱の引き金となりかねない。それを心配しておるのじゃ。」
ガルシアは納得した。
暴動が起こったら、国王を殺せ、ともなりかねない。
自分の子供と赤の他人、それならば、自分でも我が子の方を選ぶだろうと思った。
しかし、理性や脳で納得しても、心で納得出来ないのが人間だ。
ゼウセスの言い分は分かるし、理解できている。
だけど、ギルだってまだ少年なのだ。
少年でも、重い運命を背負わされても、懸命に足掻き続けたのだ。
ガルシアは彼の人生を調査班から聞いた時、思わず涙が出た。
闇に身を堕とし、闇の中で漆黒を彩り続けた彼に光を差したい。
本気でそう思っていた。
最初のコメントを投稿しよう!