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「おい、アンちゃん、こんなに暑いのにフードなんか被っちゃって。旅人かい?」
賑わう街の商店街に恰幅の良い気前の良さそうなおじさんがいた。
「ここらで有名な所?
そうだなぁ……、英雄の墓に行ってみなよ。
ここらじゃアソコが一番有名だから。
英雄ってのは、俺達に自立する勇気を与えてくれた人のことだ。
……まぁ、結局俺達には反乱なんて起こせなかったんだけどな。
国も大きく変わることはなかったけど、貴族の横暴が減ったのは事実だ。
これもそれも全てあの人のおかげさ。」
笑顔でおじさんは言った。
「そうそう、それに、英雄の墓に行くと可愛い子に会えるらしいよ。
あんたも好きだろ?可愛い子。
噂によると英雄の恋人だとか、嫁さんだとか、子どもがいるとか。
ま、噂に過ぎないけどな。」
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