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プロローグ
紅い雲。
夕日に染まる空、というにはあまりにも紅く、
陽自体は山の間に消えていた。
「逢魔が時ってこんな時をいうのかな…」
田舎道を歩く少年。
街灯がほとんどない上に人通りの少ない道。
そこで呟いた言葉はただの独り言のはずだった。
「そうですね。こんな風に」
後ろからの声。
凛としているが少し幼い声。
自分の周りには誰もいなかったはず。
いたら気が付かないわけがない。
しかしそんな否定とは無関係に、
そこには、
四季映姫が立っていた。
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