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イナギは私の体を使い、その箱を拾うと、ポケットにいれた。
「大丈夫なの?」
「僕の意識がある間は、他の精神体は入ってこれない」
「もし、イナギの意識のないときに入ってきたら」
「その時は、私の死だ」
妙に、それは悲しいものではなかった。イナギは、実体がないせいか、物事を軽く言う。今回も、「死」という言葉を、なんのためらいもなく言ってのけた。
「これをどうするの?」
イナギは微笑する。
「この箱は私と違って、人の中に入ったら人格を全て則る。その性質を利用して、ある人物につける」
「そんなことしてどうすんだよ」
果たして狂気か。
「つけたら監禁する。奴等の目的を暴くために、弱らせるのだ。」
どうも本気らしい。気迫と音でわかった。
「でも、つけられた本人はどうするんだ?可哀相じゃないか」
「目的を吐かせたら、こやつを気絶させ、私を体から出せ。箱となった私を媒体に入れれば、消滅する。」
「そのあとに、本人に頼んで、また俺にイナギを戻してもらえばいいのか」
私は把握した。
「でも、その人がイナギを体から出すのを嫌がったらどうすればいいんだ?」
「そうならないように、信頼における人物がいるではないか」
私は畏怖を感じた。イナギは優を利用するらしい。
頭がどうかしている。
事務所について私は深く悩んでいた。
確かに、今回の事件の解決を鍵をつくるには、イナギの言っているとおり行動すれば言いのかもしれない。しかし、人徳に反しないか。
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