綺麗な箱

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「もちろん確証はありますよね」 「何のだ?」 「私が、生きて戻れる確証です」 イナギは隣で首を横に振っていた。 何故だ。イナギは今から何をしようとしているのだろうか。検討したが、先は無かった。 「まずあの部屋につれていくのが先だ」 イナギは口先で笑った。あの部屋、というものがいまいちわからない。 「私に体を貸せ」 いわれるままに、私はイナギに変わった。イナギのような精神体は、元の人の許可がなくても勝手に則ることができるらしい。 しかし、イナギは、毎回私の許可を得てから私の体を則る。律義なことだ。 「優。こちらにきてくれ」 イナギは奥へと進んで行った。綺麗な箱を、袋に包み。 「普通にもっていけばいいじゃないか」 と、俺は言ったが、イナギは黙っていた。
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