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ブーンたちが地下に潜ってから、二時間近くが経過している。彼らはトンネルを進んでいた。
道は暗く、一部の兵の銃に備え付けてあるライトだけが、彼らの視界を保っていた。
ただ穴を掘ってあるだけのせいか、とても蒸し暑く、全員の額から汗が滴り落ちている。
道は幾重に分かれていて、縦横無尽に広がっている。
その形状はあまりにも巨大なサイズだけを除けば、まるで蟻の巣のようだった。
(;'A`)「ま、まだ外に出れないのか・・・?」
ドクオが息を切らしながら呟く。
軍人であるのに体力が一般人程しかない彼にとっては、この状況はもはや苦行でしかないだろう。
(;,,゚Д゚)「いいから黙って歩けゴルァ・・・。余計な体力使ってる場合か?」
(;´・ω・`)「そうだよドクオ・・・ただでさえ熱いんだからやめてよね」
そういう二人の顔にも汗が浮かんでいて、ギコにいたってはどこから用意したのか、タオルを頭に巻いていた。
α大隊の隊員達の口からも、ただ荒い呼吸音が漏れるばかりだった。
そんな彼らの先頭を、平然と歩き続けている者達がいた。
( ^ω^)「おっおっ、皆さんもうちょっとがんばってくださいお。きっともうすぐ出口ですお」
( ゚д゚ )「また分かれ道か・・・。風を感じるのは・・・・・・・・・こっちだな」
周りを気遣いながら進むブーンと、己の勘と経験を活かしながら進路を決めているミルナだ。
二人とも汗はかいているが、呼吸はまったくいつも通りで、表情に疲労の色も見えなかった。
駅の入り口でミルナが見せた疲れは、どうやら新しい敵が現れたことによる心労によるものだったらしい。
今ではすっかり元通りのようだ。
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