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このままでは全滅してしまうと、ドクオも諦めかけたとき、隣にいたミルナは違和感に気づいた。
何故か女王はもう一度酸を噴き出さずに、じっとしているのだ。このままもう一度攻撃すれば、ミルナ達の全滅は免れないと言うのに。
そのことから、彼はある仮定を導き出す。
(;゚д゚ )「おそらく奴の酸は連射が利かない!!今のうちに急いで出口へ行くぞ!!!」
(;'A`)「あ、ああ・・・!!」
彼らは全力で出口へ向け走った。途中何度も隊員達に呼びかけたが、まともな反応を返したのはごく僅かの者だけだった。
結局、彼らが女王の攻撃が届かない安全圏まで逃げ切ったとき、生き残っていたのはドクオたちを除くとたったの五名だった。
(;゚д゚ )「生き残ったのは・・・これだけか・・・」
ミルナが周りを見渡す。
ドクオと自分を含む7名は皆一様に疲れきっており、これ以上の戦闘は無理そうだった。
(;'A`)「とにかく・・・進もうぜ・・・」
(;゚д゚ )「そうだな・・・きっともうすぐ地上に出れるはずだ、皆、もうひと踏ん張りだ」
先ほどまで隣にいるドクオの耳が痛くなるほどだった隊員達の返事も、今ではまちまちになってしまっている。
たった一体の敵にここまで惨敗するのは、α大隊が創設されて以来初の出来事だった。
全員がボロボロになり、彼らの表情はもはや敗残兵のそれだ。
大勢の仲間を失ったにもかかわらず、彼らは涙一つ見せていない。
それは決して彼らが冷たい訳ではなく、過剰なストレスが彼らの神経を麻痺させているのだ。
緊張の糸が緩んだとき、彼らに襲いかかる感情の嵐は、想像に難くない。
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