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実は炎上していたのは城ではなく城下の町で、君公も自分の家族も無事であることをハツから聞き、自刃を思い止まるよう諭されたが、既に敵に取り囲まれていた城に入るのは不可能だった為、貞吉はハツに助けられながら、未だ安全だという塩川へ逃げ延びたが、彼が生より死を望む気持ちは変わらなかった。 「ハツ、八次郎は……?」  貞吉の問い掛けに、ハツは首を横に振る。 「まだ見つかってはおりませんが、こればかりはどうしようもございません」 「ならば、捜しに行けばいい。俺のことなど、もういいから」 「よくはございませんよ、若さま」
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