第二章 依頼

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  新人の加村のデスクの前でケイは、ミスの無さを褒めた。 加村の顔に笑顔が浮かんだ。 皆さんのおかげですと加村は、答えた。 聡明な子だ。 これならミスを伝えても心配ない。 「でもね、惜しかった。 1ヶ所だけ記入漏れがあったわね。」 ケイは加村の机のモニターを操作した。 ケイが修正したデータを呼び出し、加村に教えるつもりでいた。 しかし、確かにケイか゛ 記入した筈のデータは、空白になっていた。 加村は即座に 「すいません。うっかりしてました」 と入力を始めた。 慌てる加村にケイは、 目で たいしたミスじゃない と伝えて、その場を去った。 不思議だった。 ケイは、記入漏れを確かに書き込んだはずだった。 …
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