第二章 依頼

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   翌日、新人の加村からケイに報告があった。 「藤田課長、 へんなんです。 昨日、言われて入力したデータが消えてます。」 消えたデータは、ケイか゛記入漏れと指摘した所だった。 それはGPS管理履歴、 【鳥かご】システムを利用した履歴が書かれる欄だった。 その日、ケイは多忙だった。 仕事が片付いた後で、ケイ自身が処理する事にした。 その日の夜、 課の職員は帰宅していた。その後も、ケイはひとり、仕事をしていた。 帰れるメドがついた所で鳥カゴの未記入の件を思い出した。 そしてモニターに向かい 再度、データを打ち込んだ。 原因について少し考えていた。 ふっとモニターのその欄を見た。 たった今ケイが入力したばかりのデータが消えていた。 覗き込むようにその欄を見つめていると その欄のデータが違う文字を表示した。 現れては消え、テロップのように流れてゆく。 それは、意味のない字や数、記号の流れに見えた。 一分も続かないで 、ケイが入力した元のデータにもどった。 … が しかし…
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