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案内された部屋には、誰も居なかった。
ここでお待ちくださいと
告げて倉田は部屋を出ていった。
室内には印象派風の絵が、飾られていた。
黒川財閥ならば本物にちがいない。
壁には一面、専門書が並べられている。
作りのよい机と椅子があり部屋全体が落ち着いた雰囲気だ。
この部屋は、誰かの書斎らしい。
持ち主は、学者か研究者のようだ。
俺がその専門書がつまる本だなを眺めていると
ドアが開き
一人の男が入って来た。
まだ高校生にしか見えない。
「はじめまして、私が黒川一也です。梶山さんの事は、存じております。」
張りのある若々しい声と
大人びた言葉使いが、不思議な雰囲気を彼に与えていだが、ジーンズにスニーカという服装だ。
顔は、モデルにしたいくらいに整っている。
「君の部屋にしては、難しげな本が揃ってるね、ここは。誰の部屋なの?」
明らかに俺よりも歳が若い黒川に俺は、くだけた挨拶をおくった。
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