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「いえ、この部屋は、僕の書斎です。
今、僕は大学で学んでいます。
日本には飛び級がないですから、海外ですが…。
専門は分子生理学です。」
「すごいねぇ。その若さで黒川の財力と知性、おまけにすぐれた容姿まで…。
カミさまは、ずいぶん不公平だな。」
俺は、ちらりと酒場で働くエレナを思い出した。
「ぼくも梶山さんとおなじようにDNA操作を受けていますから。
知力は僕自身の力だけでは、ありません。
あなただって知力は、相当のものだ。IQは160以上ある。」
俺の事は、すべて調査済みらしい。
いや、俺以上に詳しい。
俺は両親の研究もDNA操作について何も知らなかった。
この出来事の演出者は、日本屈指の黒川財閥である事は、事実のようだ。
ここまでは、あの紳士然とした倉田が話してくれた。
あとの話は、責任者に聞いてくれか…。
責任者?
このアイドルのような容姿で、とんでもなく頭のよい少年が、この話の黒幕って事か?
改めて黒川少年の顔を
眺めた。
「黒川さん、君が責任者なんて事は、ないだろ?」
「一也で結構ですよ。梶山さん。
ご期待に沿えなくてごめんなさい。
僕が、この【ナノロイド計画】の総責任者です。
ナノロイドについて倉田から説明はありましたか?」
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