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古ぼけた俺の事務所のドアを開け
机に座った頃には、もう日は暮れていた。
白いメモ紙が机の上に置いてある。
仕事の依頼か?
そこに書かれていたのは
こんな文字だった。
◆相談したい事があります
「オスカー」にきて
ください
エレナ
昨日の夜、酔ったエレナが何か話したそうにしていた。
困った事でもあるのだろうか。
行動は迅速に。
これは怠け者の俺が、俺自身に課したルールだ。
今の時間ならば
エレナはこのビルの地下のバー「オスカー」で仕事中のはずだ。
今日のナノロイドの件を
頭の中で整理したかったが、あとまわしだ。
俺は、あの黒川一也と変わらない年齢で、わずかな時給で働くエレナの店を訪ねる事にした。
まったく神さまは
不公平なもんだ。
バーボンでも一杯やりたい気分になる。
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