第六章 宝探し【日本全国ダーツの旅】

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古ぼけた俺の事務所のドアを開け 机に座った頃には、もう日は暮れていた。 白いメモ紙が机の上に置いてある。 仕事の依頼か? そこに書かれていたのは こんな文字だった。 ◆相談したい事があります 「オスカー」にきて ください エレナ 昨日の夜、酔ったエレナが何か話したそうにしていた。 困った事でもあるのだろうか。 行動は迅速に。 これは怠け者の俺が、俺自身に課したルールだ。 今の時間ならば エレナはこのビルの地下のバー「オスカー」で仕事中のはずだ。 今日のナノロイドの件を 頭の中で整理したかったが、あとまわしだ。 俺は、あの黒川一也と変わらない年齢で、わずかな時給で働くエレナの店を訪ねる事にした。 まったく神さまは 不公平なもんだ。 バーボンでも一杯やりたい気分になる。
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