第六章 宝探し【日本全国ダーツの旅】

3/13
前へ
/63ページ
次へ
このボロマンションの地下には、古ぼけたバーがある。店主の髭おやじにいわせれば格式高い本格的な酒場らしい。 西部劇に出てくるような扉を抜けると広いカウンターのあるそのバー 「オスカー」 にたどり着く。 ここでエレナはバーテンのマネゴトをしている。 昼もどこかで働いているようだが、俺は知らない。 カウンターに座り 髭おやじに話かける 「バーボンをくれ。 ロックで… グランタットの強い奴がいいな。」 軽く目礼をした髭おやじは、酒を作り始める。 店には、まだ客はいない。エレナの姿も見えない。 「オヤジさん、エレナは?」 軽く首を振りながら 「今日はまだ来てないよ」 と言う。 「何かあったの?」 と尋ねてみた。 「連絡もないんだよ。おくれるんじゃないか。」 「そうか…。連絡してみよう。」 俺はエレナの携帯に電話をかけた。
/63ページ

最初のコメントを投稿しよう!

65人が本棚に入れています
本棚に追加