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このボロマンションの地下には、古ぼけたバーがある。店主の髭おやじにいわせれば格式高い本格的な酒場らしい。
西部劇に出てくるような扉を抜けると広いカウンターのあるそのバー
「オスカー」
にたどり着く。
ここでエレナはバーテンのマネゴトをしている。
昼もどこかで働いているようだが、俺は知らない。
カウンターに座り
髭おやじに話かける
「バーボンをくれ。
ロックで…
グランタットの強い奴がいいな。」
軽く目礼をした髭おやじは、酒を作り始める。
店には、まだ客はいない。エレナの姿も見えない。
「オヤジさん、エレナは?」
軽く首を振りながら
「今日はまだ来てないよ」
と言う。
「何かあったの?」
と尋ねてみた。
「連絡もないんだよ。おくれるんじゃないか。」
「そうか…。連絡してみよう。」
俺はエレナの携帯に電話をかけた。
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