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電話に出たのはエレナではなく男の声だった。
「梶山すなおさんですね。」
電話の男は、そういった。
「あなたは誰です?
この電話はエレナの番号の筈だが…
なぜ俺の名前を…」
「エレナさんは、
こちらにお預かりしています。
あなたにご協力いただければ、安全は保証致します。
我々の指示に従って下さい。
誰かにこの事をもらせば、
エレナさんの生命は、保証できません。」
「分かった。
どうすれば、いい」
「ご理解いただき助かります。
あなたの事務所のあるビルの表に黒い帽子の男を待たせています。
その男の所へ、
今からすぐ、いってください。」
「いったい何の目的なんだ?」
「ナノロイドについて、
とだけ申しあげておきましょう…」
そのまま電話は切れた。
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