第六章 宝探し【日本全国ダーツの旅】

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… あのエレナを見た日から、何日過ぎたのか、分からない。彼等の組織にとって俺は、興味のつきないものらしい。俺はナノロイドという実験動物の扱いを受けた。 いくら俺が否定しても 無駄だった。 採血に始まり、MRI撮影、 脳波、心電図、体の隅々まで調べられた。 奴らは、通常の検査で通常の値しか示さない俺にあせっていた。 俺の様子を見に来た奴らに対して俺は、いったもんだ。 「だから、俺はなんでもない普通の人間なんだ。いい加減に解放してくれ。」 奴らはひょっとしたらあの悪名高いCIAかペンタゴンあたりの関係者かもしれない。何にしろ、次に俺にやった事は身の凍る行為だった。 すなわち、俺自身の体に負荷をかける事でナノロイドであるか試そうとする事だった。つまり拷問に類する実験だ。 中世の魔女狩りでもあるまいし、たまったもんじゃない。 最初は微弱な電流をかけ、じょじょに電圧をあげてゆくとか、薬物を体内に注入する時の生体の反応を観察し測定すると言ったものだ。奴らにとってアジアの混血のミングスなんて虫けらのようなモノなんだろう。
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