第六章 宝探し【日本全国ダーツの旅】

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夜も昼も解らなかった。 ナノロイドではない俺の身体測定の結果が、明らかになったのだろうか。 また初日に引っ張りこまれた白い部屋へ俺は連れていかれた。 「梶山さん、あなたは本当にナノロイドでは、ないようですね。」 人を実験台としてさんざん扱っても、詫びも言わずにこの松岡は、俺に言う。 「あんたらは、CIAかなんかなんだろ?まともじゃない。無関係と分かったら早く俺を解放しろ。」 「私自身、個人的な感情としては、早くお帰り願いたい所なんだがね…。ところが研究者の方から君の免疫に興味深い結果があると、報告があってね。」 「しるもんか。俺は、ナノロイドなんか無関係だ。」 この上、おれの遺伝子の秘密なんて話したら解剖までされかねない。 「梶山さん、結論として申し上げると、我々はあなたを解放することにした。 ただし、それには条件がある。この一連の出来事を口外しないこと。 君は知らないだろうが、ナノロイドの問題は、アメリカと日本の軍事バランスを壊しかねない。 国家のパワーバランスや 拉致監禁という外交問題でもある。」 なんという勝手な言い草だろう。自分たちのやった行為はまずい事だから誰にも話すなって事か。
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