写真家

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大声で激しく怒鳴り合う2人に、裕子はただ呆然と突っ立って見ているしかなかった。 いったいどうなってんの…? さっきの各務の言葉によると、どうやら彼に依頼のことが伝わっていないようだった。 それは秘書の八代という人が独断で仕事を断っていたことになる。 でもなぜ彼女はそんなことを? その答えはすぐ2人の喧嘩の内容から出てきた。 「テメェ、いつまで未練たらしく雅隆に付きまとうつもりだ!」 「な!なによ、アンタに関係ないでしょ!」 「はあ?分からねぇとでも思ったか。お前が俺に話さなかったのは、雅隆と親しい女に嫌がらせがしたかったんだろうが。」 ……。 …なんですって?
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