第一章・産声

2/6
前へ
/26ページ
次へ
静かな、静かな森の奥に広がる開けた場所。 聞こえるのは鳥の囀る声だけ、他に音を発するものはない。 その広場の中央に白い、高さが1メートルくらいの卵のような物が置いてあり、それを取り囲むように沢山の生物が円になっていた。 否、それを生物と呼んでいいのか。 強靭な鷲のような翼、しなやかで鞭のような尻尾、どんな攻撃をも通さないような鱗。 眼光は獲物を狙う肉食獣をも震え上がらせ、その手の爪と牙はどんなものでも貫く。 自由に空を羽ばたく空の王者、ドラゴン達がひしめき合い卵を見つめていた。
/26ページ

最初のコメントを投稿しよう!

43人が本棚に入れています
本棚に追加