忘れられない日

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忘れられない日

君が結婚しようねって 僕に言ってきたから 僕も好きだったから 結婚するつもりだった いつも2人で遊んだ よく考えたら おままごとばっかりだったけど… 小学生になってから おままごとしてると冷やかされて 僕は君と距離を置く様になった 中学生になると君は男子の人気者となった 君とあいさつを交わすだけでまわりの嫌な視線を感じた いつからか君に話かけられても無視する様になった 今でもあのときの君の悲しそうな目が忘れられない… 僕も悲しかった 君が好きだったから… 高校進学と同時に君が引っ越すことを親から聞いた 「あっそー」 なんて言ってみたが すごく胸が苦しかった 卒業式が明日にせまり 僕は 無視してゴメン とだけ書いた手紙を彼女に渡すことにした そして卒業式の日 どのタイミングで手紙を渡していいのかわからず 式も終わりを迎えようとしていた… すると後ろから僕の名を呼ぶ彼女の声が聞こえた まわりにはたくさんの友達がいたので恥ずかしかった まわりが僕たちを冷やかす中 彼女は僕にこう言った もっと話したかったな 今までありがとう 楽しかった 元気でね… これが彼女と交わした最後の言葉だった… 僕は何も言えなかった… 僕は手紙を渡せなかった…
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