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和也の部屋で、加奈は初めて男に対して自分の過去を話した。なぜだろう。何かとても安心していて、何も考えずにペラペラと話した。呼吸をととのえながら、涙を流しながら、夢中で自分の事を話した。和也は黙って聞いていた。
途中加奈が話しを中断すると、「それから?」と優しく聞いた。全て話して加奈をすっきりさせてあげようと思ったのだろう。加奈が今日の話をし終わるまで、静かに聴いてくれた。
加奈が話し終えると、和也は加奈に言った。
「お前本当にすげぇよ」
「え?」
泣きながら彼の顔を見上げる。
「おまえすげぇって。俺だったら確実に自殺してるわ。よくがんばって今まで耐えて生きてきたじゃん。それだけでまじすげぇよ。」
はじめて自分の人生を、認めてもらえた気がした。 生きてる事を認めてもらえた気がした。さらに加奈の目から、雨の雫がながれた。
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