はじめに

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ある日、加奈は100点満点のテスト用紙を家に帰るなり母親に見せた。 「お母さん!今日は皆と一緒にご飯食べていい?」 笑顔でそうきく加奈に、母親は一言だけ言った。 「だめよ」 その時、自分はもう、期待されない子ではなく、憎まれている子になっていた事に気づいた。このままでもいい。この家に住めるだけでいい。学校にちゃんと通えて、あったかい布団で寝れるだけでいい。そう思うように努力した。
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