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14歳の時のクリスマスイヴ。初めてできた彼氏と初めてのデート。同じ中学の先輩で、優しくてかっこいい男の子だった。朝から鏡の前で3時間も過ごした。待ち合わせは近くの駅前だった。加奈の手には紙袋。一生懸命編んだ手編みのマフラー。これをわたしたらどんな顔をするだろう。うきうきしていた。
「加奈、ごめん!」
20分遅刻した彼。気持ちが弾んでたからどうってことなかった。
「ごめん加奈、俺今日金が全くなくて・・・。どこにもいけそうにないんだ。だから、もしよければ俺の家で、2人でクリスマスいわわねぇ?」
気持ちが弾んでたからどうって事なかった・・・。
「おじゃましまーす」
そういって部屋に入る。返事はないが母親が台所でなにかしている様子だった。部屋に入るとマフラーを渡す。
「まじで?こんなん初めてなんだけど!ありがとうすっげぇ嬉しい!!」
彼が喜んでくれて本当に嬉しかった。その後は二人で映画を見た。二人で寝転びながら。腕枕をしてもらいながら。
「やべっ!」
何か気づいたように彼が起き上がる。
「わりぃ、ちょっと用事思い出した。10分で戻るから、映画みといて!」
そういって彼は部屋を出た。映画を一人で見ていた。見ながらこの先の自分の恋愛を頭の中で妄想しながら、ニヤけて・・少し恥ずかしくなった。キィィ・・ドアが開く音。
「お帰り!早かったね!」
起き上がって振り向く。そこには怖そうな外見の4人の男が立っていた。
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