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クリスマスソングが流れる夜の商店街。誰もが加奈を見ている。ボロボロで、血だらけの14歳の少女を、お洒落をしたカップルたちが汚いものでも見るかのように加奈を見ている。何も考えてはいなかった。心が空っぽになってしまったかのようだった。家までの道を、ただ、ひたすら歩いた。
家のドアに手をかける。玄関に入ると家族達の楽しそうな話し声が聞える。加奈が帰ったのに気づいたのだろうか。父親が大きな声でこう言った。
「あー!家族4人揃ってのクリスマスパーティーはいいなぁ!」
家族4人・・・。ねぇ、私は家族じゃないの?私は何なの?私はどうすればいいの。どうすれば家族になれるの。
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