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三國も十番内キープしている。だから、所謂不良ってやつなんだけど退学を免れている。
「あ、対馬!」
だが、こいつはまだ可愛い方だと思う。
「ん?」
「タバコ、返せよ!」
「無い。吸った。」
ケロッと言ってのける対馬。こいつは影の不良だ。人当たりがいいので、先生や先輩、後輩には人気だし。万年首位。そう、万年首位!
悔しいよな…いやいや、そんな話じゃないんだ。
「悪いな。」
ニヤニヤしながら謝る対馬に、三國はガックリと肩を落としてしゃがみ込む。そこまで落ち込む理由は何処にあるんだ?とも思ってしまう。
「芹澤、ナイッシュー!」
角田の声に、ハッとした。
「あ~会長じゃん!見てたんだ?」
「九本連続だね~。」
「レギュラー降格したくないからね。あ、小川~!」
ヒラヒラと俺に手を振る芹澤に、面倒だと思いながらも振り返す。
「お前、腹の中と出る言葉が違うから嫌いだ。汚い。」
「三國!いい加減にしなさい!」
叫ぶ角田に、俺が“構わない”と言おうとすると、思い掛けない声が飛び込んで来た。
「小川は、言葉が足りないだけで悪くないよ。」
芹澤だ。驚いて開いた口が塞がらない。
「流石校内一の駿足だね。」
ニコリと笑って対馬は、言う。照れて芹澤は、頭を掻いている…流石天然キャラ。
「確かに授業の始まる時間は近くなったが…着替えてからおいで?」
「あ。ヤバイ!待ってて!」
待ってても何も。教室ですが?面白い奴だよ、芹澤。
「小川、さっきの三國に反論は?」
いきなり副会長が問い掛けた。
「反論?」
「一成、何をいきなり。」
「まぁ、直希。言われるままってのはどうかなってさ。気になって。」
「面白がってるんだろ。」
「勿論。」
ニッと笑う。
「さあ、小川。どう思った?」
三國が黙って見ている。
溜め息をついて、俺は話し始めた。
「副会長だって、二面性があって汚いと思う。」
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