茂×恵 許嫁秘話

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私は病院にいた。これは当時、私が小学二年生の時だった。 三日前、先生から弟が車に曳かれたと聞いて、私は先生に連れられ病院に行った。 手術は成功した物の、弟はいつ目を覚ますかわからない状態。 私は不安で一杯だった。私は家族を誰一人失いたくなかった。 私は祈った。ひたすら祈った。神でも仏でもいいから茂を助けて欲しかった。 祈り続けて三日が経ったある日 「ウッ・・・・」 茂はゆっくりとその両目を開けた。 「茂!」 私は茂を抱き寄せた。 「姉ちゃん、苦しいよ」 そういえばこの時は茂は私の事姉ちゃんって呼んでたっけ?懐かしいな 「看護婦さん!茂が目を覚ましました!」 私はナースコールで言った。 少しすると、看護婦さんが慌てながらやって来た。 「マジでー!三日で起きるとかありえないんですけどー!あ、茂君オッハー!茂君、生命力強過ぎって感じぃー」 どこの女子高生だ、お前は。 「私、両親を呼んできます!!」 「その方がいいかもー。じゃ、美代ちゃん頼んだ」 「合点承知の助!」 私はこの看護婦さんと案外仲良しだったりする。
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