6135人が本棚に入れています
本棚に追加
のハズだった・・・・・・
「ヨッコラショイ」
ボンッ
俺は猛獣用捕獲網発射銃を小百合に向かって発射した。
「キャ!?」
小百合はバランスを崩して地面に落ちた。こんな優れものをどこで手に入れたかって?それは秘密ですよ。
俺はゆっくりと網を引いていった。手応えはちゃんとあった。
そして網に掛かった小百合が見えてきた。
「茂さん、ヒドいです・・・・・」
小百合は目をウルウルしながら俺に逃がせと訴えてきた。
「勝手に俺から逃げる奴が悪い。」
だが、今の俺には効かない。何故かって?理由は無い。只、今の俺は真剣なだけだ。
俺は網から小百合を外し、力強く抱き締めた。
「地の果てに消えるとか悲しい事を言うなよ。俺とお前の絆はそんな物なのかよ・・・・・・」
「茂さん・・・・・」
小百合も力強く抱き締めてきた。少し痛かったが敢えて言わない事にしよう。
「茂さん、泣いてますよ?」
「へ?」
俺は小百合を抱き締める右手を離し自分の頬を触ってみた。そこにあったのは暖かい涙の感触だった。
「小百合、絶対俺から離れるなよ?」
「茂さん、それはプロポーズですか?」
「残念ながら違う。」
「それは本当に残念です。でも、私は吸血鬼なんですよ?また血を吸うかもしれませんよ?」
「俺の血で良ければいくらでも吸わせてやるさ。」
「有難う御座います。」
そして二人は熱い口づけを交わした。その唇には血の少し苦い味と、小百合の涙のしょっぱい味がした・・・・・・・・
最初のコメントを投稿しよう!