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女は手紙を読み終えると、その場に泣き崩れた。
「バカ…ほんとにバカだよ…私はあなたが居るだけで幸せだったんだよ…」
彼は意識がもうろうとする中、男と過ごした日々を振り返っていた。
初めて会った時引っ掻いたりしてごめんな。
お前の腕の中、すごく暖かくて気持ち良かったぞ。
お前に会って俺は生まれた意味を知る事が出来たんだ。
きっと俺は、この日の為に生まれて来たんだろうな。
「ありがとう」
あいつに出会えなければ、こんなに幸せな気持ちになることなかっただろう。
もう思い残す事はない。…もうすぐお前のトコへ行くぞ……また…腕の中で寝かせてくれよ…
彼の体は傷だらけで苦痛なはずだが、その表情は誇らしげで幸せそうな表情をしていた。
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