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彼に近づく一人の男。
「また嫌がらせか…」
そう思いながら顔を上げた。
そこに立っていたのは、いつもの自分を見下す目ではなく、不思議な目をした若い男だった。
「こんにちわ。小さくてカワイイね」
そう言うと男は彼を抱き上げた。
「な、何をするつもりだ!」
彼は腕の中で必死になって暴れた。
引っ掻いたり、噛みついたりした。
男はたまらず彼を降ろした。
彼は降りたと同時にすごい勢いで逃げ出した。
「なんだあいつは!…それとこの感覚は…なんだ…!?」
彼は生まれて初めて触れた、
「温もり」が理解できなかった。
彼がどれだけ逃げても男は、いつまでも追い続けてきた。
やがて、体力の限界が訪れた彼は気を失ってしまった。
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