孤独なネコ

4/4
0人が本棚に入れています
本棚に追加
/25ページ
彼に近づく一人の男。 「また嫌がらせか…」 そう思いながら顔を上げた。 そこに立っていたのは、いつもの自分を見下す目ではなく、不思議な目をした若い男だった。 「こんにちわ。小さくてカワイイね」 そう言うと男は彼を抱き上げた。 「な、何をするつもりだ!」 彼は腕の中で必死になって暴れた。 引っ掻いたり、噛みついたりした。 男はたまらず彼を降ろした。 彼は降りたと同時にすごい勢いで逃げ出した。 「なんだあいつは!…それとこの感覚は…なんだ…!?」 彼は生まれて初めて触れた、 「温もり」が理解できなかった。 彼がどれだけ逃げても男は、いつまでも追い続けてきた。 やがて、体力の限界が訪れた彼は気を失ってしまった。
/25ページ

最初のコメントを投稿しよう!