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バイクで
リビングに入ると、母・菜奈が新聞を読みながら朝食のパンを食べていた。
弘晶は
「おはよ」
と声を掛ける。
菜奈は弘晶に気付き
「はよ」
と笑顔で返した。
「今日、はやいね」
「うん。目覚めた」
「ごくろうなコトで」
と菜奈は言いながらTVのスイッチを入れた。
TVが付く。TVの左上にデジタル時計が映し出された5:46を弘晶は見続けた。
たいして何もすることがなかった。ただ、ぼーっとそのデジタル時計の時間が変わるのを見続けていた。
今日は家を八時に出れば、九時の講座に間に合う。
八時まで何もすることがなかった。
妹、弟達が学校へ出ていくのを見送り。時間が経った。弘晶は外に出た。
春風が弘晶の頬をかすった。
弘晶は一息付くと空を見た。
透き通るように青は弘晶を励ましてくれているように思えた。
弘晶はバイクにまたがり緑色のヘルメットをかぶった。
鍵を鍵口にさし、エンジンをかける。
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