第2章

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橘家は代々王の近い存在、親戚として王を影で守ってきた。 大和の親父は敵国の元親衛隊隊長であり、ある事件から敵国の王を務めるまでになった人物だ。 大和はこの国の人間ではない。 俺と大輔はあの戦争で両親を失った。だが、大和には関係ない。大人達がかってに始めた戦いなんだ。もうこれ以上、誰かが悲しむ必要はない。 俺が、いや俺達が、この戦いを終わらす。そう、俺達の手で…… あの頃は確かそんなことを思ってた。 「おい、何ぼけ~っとしてんだよ。置いてくぞ。」 こっちを振り返りながら、大和が俺に言ってきた。 「おぅ、しゃぁない。 つきあいますか。」
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