13826人が本棚に入れています
本棚に追加
/376ページ
「栞莉!俺はこれから世界へと羽ばたく!寂しいだろうが我慢しろよ?泣くなよ、そんなに引き止めるなって。」
そう言って洋一は栞莉の肩に手を置く。
ここは空港、あちらこちらで再会の喜びや別れの涙が聞こえてくる。
そんな中、洋一と栞莉も待合室で座って待っていた。
「………いいから、早く行けよ。」
栞莉は肩に置かれた手を払い、冷たく言い放つ。
「お前なぁ、ちょっとは寂しがれよ。
3年だぞ?生まれてからずーっと一緒にいる俺と3年も離れるんだぞ?
もっとこう、『行かないで洋一~っ』みたいの言えない訳?
こっちが寂しくなるっつの。」
そう、2人は幼なじみ。兄弟のように育ってきた。
それが今回、洋一の父親がアメリカに転勤になり『外国の文化に触れ合ういい機会だから』と、洋一も連れて行かれることになった。
実際、洋一としても父親がアメリカ人と日本人のハーフなので、1度アメリカに行ってみたいとは思っていた。
まぁ、他にも理由はあるのだが。
最初のコメントを投稿しよう!