初めての別れ

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  「栞莉!俺はこれから世界へと羽ばたく!寂しいだろうが我慢しろよ?泣くなよ、そんなに引き止めるなって。」 そう言って洋一は栞莉の肩に手を置く。 ここは空港、あちらこちらで再会の喜びや別れの涙が聞こえてくる。 そんな中、洋一と栞莉も待合室で座って待っていた。 「………いいから、早く行けよ。」 栞莉は肩に置かれた手を払い、冷たく言い放つ。 「お前なぁ、ちょっとは寂しがれよ。 3年だぞ?生まれてからずーっと一緒にいる俺と3年も離れるんだぞ? もっとこう、『行かないで洋一~っ』みたいの言えない訳? こっちが寂しくなるっつの。」 そう、2人は幼なじみ。兄弟のように育ってきた。 それが今回、洋一の父親がアメリカに転勤になり『外国の文化に触れ合ういい機会だから』と、洋一も連れて行かれることになった。 実際、洋一としても父親がアメリカ人と日本人のハーフなので、1度アメリカに行ってみたいとは思っていた。 まぁ、他にも理由はあるのだが。  
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